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たった5つの母音

前にも書きましたが自慢じゃないけど私はcrushとcrashをうまく発音し分けることができません。どっちを発音しても逆に聞かれるのが謎なんだけど、一般論でいえば後者、アップルのアの音はそれだけ単独で発音すればわかってもらえる。でも子音連続の後に来たら全部日本語のアになっちゃうんだよ、ううう。

ということで先日英会話の先生のフェイに「英語は母音が多すぎるんですよ」と言ったら「たった5つだけど」と言われた。

あれですね、言語学の常識と一般の常識が乖離しているのは日本だけじゃないんだ。

フェイはつづり字のことを言っているのです。そして「母音」といえば一般の英語話者が思い浮かべるのはa,e,i,o,uの5つの文字で(このことは、言語学の概論のクラスで先生が「英語に母音はいくつある?」というと必ず5つという答えが出てくるのとも対応している。)、問題はその5文字(とその組み合わせ)ではるかに多くの発音をカバーしているということなんだけど、ああ、もし英語の母音が5つしかなかったら!私は例えばピーターとも、もっと実りのある会話ができてるんじゃないか。

フェイは勿論つづり字と発音が1対1対応していないことは知っているし、ネイティブの子供に注意を促すように、その文字で表される典型的な発音(たとえばaならアップルのア、uならアンブレラのア)と実際の発音が違っているとき(たとえばageとか)には、非母語話者の私達にも「ここの発音はつづり字と違うから気をつけようね」みたいなことを言う。

いや私達そもそも、aの字を見てアップルのaの音がそれ用の発音として自然に出てくるってことない(人が多い)ですから。母音とつづり字の対応に気をつける以前に「その発音はどういう音なのか、どういう音を出すことを期待されているのか」がそもそもわかってないから「この発音はこれじゃないから気をつけようね」と言われても、これなのかあれなのかそれなのかどれなのかがわからないのだ。

ってことをフェイはわかってないと思う。つづり字にひっぱられて間違った発音をするのはネイティブの子供なんだよ、我々は間違うことすらできないのだよ。

英語に母音が5つしかなかったらどんなにいいだろう。トクピシンはそれに近いんだけどね。

クラッシュ、クラアーッシュ、クラシュ。。。
by warabimochi57 | 2008-03-09 18:34

謹製 さつき


by warabimochi57