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事なかれ主義の顛末

全くどうでもいいと思っていた人間関係があって、少し前にうまくいかなくなった人がいたのだが、私は全然重要視していなかったので事なかれ主義で適当に流しつつ表面は丁寧に謝ったりしていた。

しかし相手はますます態度を硬化させて関係はみるみるこじれてしまい、この冬が長かったのと同じぐらい、ここしばらくは長い長い泥沼にはまっていた。

相手をなめていた。つまり、私が事なかれ主義でなんでもいいから早くこの関係が終わればいいと思っていることを、相手は察知していたのだと思う。私は実際ほとんど悪いと思っていないのだが、だったら堂々と自分の正当性を主張すればよいのにひたすら謝って嵐が過ぎるのを待っていた。この点の率直さに関しては実際に相手の方が、怒りを表明しているだけ誠実であり、しおらしい顔して内心ケッと思っていた私のほうが不誠実ではあっただろう。ただ、ここには力関係があって、相手は私に露骨に不機嫌な顔ができるけれど私のほうはそうもいかないという立場だった。

という訳でしばらく人間関係に問題ありでぐだぐだだったし、今もまだ収拾はついていなくてもうしばらくはぐだぐだなのだが、どうも私が自分が人間関係が非常に苦手なことを忘れて、周りとうまくいっていると思って有頂天になっているとこういうことが起こる。

私は中島義道にはなれない。相手が不愉快なことでも自己に誠実に、なるべく嘘をつかずに傷つけても構わないから率直に話すなんてことはできず、そう遠くない将来にあまり関わらなくて済むようになるまでは、表面上相手を立てていうことを聞いて身の保全をはかる。中島氏が蛇蝎のごとく嫌っている「善人」そのものである。

今回の何ヶ月かかかった茶番劇で私が学んだことはしかし、「表面だけ謝ってるのは見抜かれる」ということでこの点に関しては率直に、悪いことをしたと思う。事なかれ主義ならそれに徹したほうがまだましだったのだ。つまり、謝るなら相手の意向を汲んで立ち回るとこまでやって初めて反省の色が見えるのであって、まったく行動を変えず、口先だけ謝るのはそれは見抜かれるわなあ、と終盤近い今になって思う。

結局ちょっとだけ、相手の怒りによって少しは私も反省して行動を変えたので、その怒りも全く無駄だったという訳ではないだろう。しかし私の怒りは相手には向けられない。黙って心の中で切り捨てているだけで、対話を放棄している分こっちのほうがより一層冷たくて陰険である。

和解する気はまるでない。恐らく相手もそう思っている。「しかるべきにや」、と古文に出てくる言葉を思う。「前世の因縁だったのだろうか」というようなことだけれど、そんなものは信じていないけれどもこうなるべくしてこうなったのでもはや人知の及ぶところではないような気さえする。あとしばらく、事なかれ、事なかれ、穏やかに過ごせればよいのだけれど。
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by warabimochi57 | 2012-03-31 23:49 | Comments(0)

謹製 さつき


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