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ちびすけ

「カラマーゾフの兄弟」を読んでいます。ちなみに「うらなり」は車で10分の国道沿いの本屋にはありませんでした。期待してなかったけど。

 ロシア文学を志して北海道の地へ渡った18歳のとき、まさかロシア語の授業の3回目で挫折するとは思っていなかった。ロシア語の先生はドストエフスキーの研究者で、3回目までぐらいはみんながよく授業についていっていたので「これ(入門のテキスト)が終わったらカラマーゾフを読もう」と嬉しそうに言われていたのを覚えている。

 しかし、4回目あたりからだんだん授業は悲惨なことになってきた。ごく少数の「できる子グループ」とその他大勢の「できない子グループ」が徐々に乖離してきて、カラマーゾフどころかまともにテストをやったら留年者続出は避けられない見通しだった。

 たとえばN君は、名詞が男性名詞、女性名詞、中性名詞のどれに属するかを順々に答えていく中で、みんなが「女性、男性、男性、中性」と答え、「はい次、N君」とあてられたのに対して「太陽」と答えていた。

 私はそこまで思い切ったことはできなかったのだが、たまに予習していって難しい問題が私に当たりそうになると、先生が順番を無視していきなり遠くのできる子に振ってしまわれるのが悲しかった。

 なんで単位を落とさなかったのかは今でも謎なのだが、最後にロシア料理店での飲み会に参加した人には全員単位をくれたという噂もある。私達は今でも「N先生とG先生でなければ我々は進級していなかった」と仮定法過去完了で話す。

 それから20年。あの時ロシア語でよめなかったカラマーゾフを日本語で読んでいたところ、「二人のちびすけ」という訳語がでてきた。「ちびすけ」ってなんだろう。元のロシア語が知りたい。

 20年後に言語オタクになるとはまったく予測できなかった。今更ながらではあるが、ロシア語も勉強したくてテキストも買ってある。

 優先順位を考えなさいよ、と先生には言われているのですが。
 
by warabimochi57 | 2006-07-17 20:05

謹製 さつき


by warabimochi57